可能性の蓋がない

暇な時間をどうするかが最近の課題〜

マナー講師が若者をダメにする

先日、とあるお仕事で「マナー講師」の方と打ち合わせをした。その方は名だたる大企業や国立を含めた有名大学などで、社会人や学生を相手に、マナー研修やスキルアップセミナーの講義を行っているそうだ。

 


その方曰く、「ノックは3回」。


2回のノックは「在室確認=室内に誰かがいるかどうかを確認するためのノック」で、3回のノックは「入室確認」、つまり「このお部屋に入っても良いですか」を確認するためのノックなのだとか。ゆえに、訪問先や面接会場などでノックを2回しかしないのは「間違い」で、NGなのだとか。


………くだらねえええええええ!!!!!!!!!

 

おっと、言葉が乱暴になってしまった。失礼。

 

……他にも、正しい名刺の渡し方とか、世の中にはあらゆる「ビジネスマナー」とやらがあるらしい。もちろんわたしも多少は知っているし、なんとなーく実行してるけども、誰かに教わったわけではないから間違いもあると思う。が、名刺の渡し方や挨拶の仕方で相手を怒らせたとか、そういった大失敗をしたことは無いと思う。

 

ノックの話はひとつのエピソードだけど、他にも「マナー」と呼ばれる謎の習慣はたくさんたくさんありそうだ。世の中の学生さんは、就活生は、サラリーマンは、こんなにもくだらないことがまかり通る世界の中で生きているのか…と愕然とした。もし、ノックの回数が1回違うだけで落とされる(あるいは内定をもらう)ような企業なら、そこには入社しない方が良いとすら思う。組織としての頭が悪いから。

 

 

マナーとは、相手や環境への思いやりだと私は思う。


具体的にいうと、相手の時間を奪わない(始まりと終わりの時間を守る)、不機嫌でいない、怒らない、きちんと自分の考えを自分の言葉で伝える、相手に届く声でわかりやすく話す、相手の話を聞く、笑顔でいる……相手を敬いつつ自分やその場の環境も大事にすることというか、その時間を実りあるものにすることや、相手と気持ちよく楽しく過ごすこと、みたいな。


その場にいるみんなが健やかで良い時間を過ごす、そのためにはどんな言葉を使い、どんな行動をすべきか、それを考えたら、ノックの回数なんて恐ろしくくだらないとわかるはず。

 

ノックの数だとか名刺入れの向きだとか名刺の持ち方だとか……そんなことで気持ちが左右されたり、互いの存在やその時間の正解・不正解を決められてしまうのが「正しいマナー」だとしたら、それって人間の知能低すぎない??と思う。上辺だけの動き、行動を覚えさせるならお猿さんやイルカにもできるのだ。「名刺の渡し方は完璧だけれど自分の意見は言えない」「自分の考えはないから言われたことをやるだけ」なんて人と仕事したくないし、そんな人に良い仕事ができるとも思えない。

 

もちろんマナー研修の類は学生や新人用に行われることが多いから、組織としては「そもそも自分の意見を自分の言葉で言うなんて新人にはまだできない。最低限のマナーを知り、相手に失礼のない人材に育てるための研修なのだ」というのが言い分だろう。でもね、そもそも笑顔での挨拶も自己紹介もできず自分の考えも言えないような人ばかりが入社してるなら、その会社腐ってるから。腐ってるからそんな人材しか来ないんじゃないの???と思う……

 

ノックが2回か3回か。それはいったい、いつ、誰が決めたのか。なぜそれがまかり通るのか。なぜそんなことを会社や学校から教えられ、なぜそれを「正しいから実行しろ」と言われるのか。むしろそこに疑問を持つか持たないかが、踏み絵になると思う。疑問を持つ人なら、ポテンシャルある。

 


とりあえずマナー講師と呼ばれる人は世の中を腐らせてる要因の一部なのでは?と思う今日この頃です。思考停止の若者を増やすなー!!と言いたい。